永保寺の御朱印旅

永保寺は、1313年に夢窓国師により開創され、佛徳禅師(夢窓国師のお弟子さん)が開山したとあります。寺号は、中国の廬山の虎渓にあやかって虎渓山となったそうです。廬山や虎渓のことは知りませんが、このお寺を取り巻く景色(岩場や川そして森)を見ていると、きっと、このような場所なのだろうなと想像されます。中国の廬山は禅宗が多く集まっている所でもあるそうです。周辺の景観に溶け込んだ、国宝である水月堂(観音堂)を中心とした庭が、とても素晴らしいお寺でした。


 

車を境内図(写真①)の下部に示されている駐車場に止める。踏切を渡り、永保寺の塔頭である、続芳院、徳林院を抜けて、保寿院の辺りまでくると、道が少し下っていきます。そして、突き当たると永保寺が現れてきます。

山門などはなく、境内に入ると、左手に華蔵庵(方丈)、天厨院(庫院)、碧天閣が繋がった形で並んでいます(写真②)。

写真③は、一番手前の華蔵庵(方丈)です。大きくて立派です。このお寺のご本尊(聖観世音菩薩)が、水月堂という国宝の観音堂に収められていることから、この建物は本堂ではなく、方丈と呼ばれているのだそうです。

 

写真①:永保寺の境内図


写真②:方丈・庫院・碧天閣の連なり

写真③:華蔵庵(方丈)


 

天厨院(庫院)(写真④)は、南禅寺や天龍寺を思わせる外観です。2000余りのお寺を巡ってきましたが、庭や建造物を拝見して、ときには宗派が連想されることがあります。こちらのお寺は臨済宗京都五山系を感じさせてくれました。(余談ですが夢窓国師は南禅寺の住持にもなられたそうです。天龍寺は夢窓国師の開山だそうです。)

天厨院の前(写真④の青い矢印)にはひっそりと「びんつる様」(写真⑤)がおられました。このお寺のスピリチュアル・パワースポットの一つだそうです。写真④の右の屋根の上に乗っかている屋根(赤い矢印)は、建物の中にある5基の竈の煙抜けなのだそうです。 

写真④:天厨院(庫院)


写真⑤:びんつる尊像

写真⑥:臥龍池・無際橋と水月堂


 

池(臥龍池)に沿って進むと無際橋(むさいきょう)と水月堂(写真⑥)が見えてきます。さらに進むと、無際橋、無際橋の中央の亭舎と水月堂が一直線に並びます(写真⑦)。

無際橋を渡ると正面が水月堂(観音堂)(写真⑧)です。実に素敵なたたずまいです。夢窓国師が建造した唯一のものだそうで国宝です。こちらには、御本尊の聖観世音菩薩がお祀りされています。

 

水月堂に向かって左の崖(梵音巌)の上に六角堂(霊擁殿)(写真⑨)があります。行基作と伝わる地蔵菩薩を中心に900体余りの小さな地蔵菩薩が祀られています。梵音巌からは、臥龍池に小さな滝が流れています。

 

水月堂に向かって右側の池のほとりに弁天様をお祀りしている霊庇廟(写真⑩)という小さなお堂がありました。

 

写真⑦:無際橋を渡って水月堂へ


写真⑧:水月堂

写真⑨:六角堂


写真⑩:霊庇廟(弁天様)

 

臥龍池の周りから離れ華蔵庵(方丈)と反対側を歩いてみました。

ほどなく美しい河原にぶつかりました(写真⑪)。流れる川は土岐川だそうです。このあたりの場所は、持戒(戒めを保持)のパワースポットだそうで、龍浮淵(りゅうふえん)と呼ばれるそうです。

龍浮淵をしばらく眺めて、パワーをいただき、開山堂へ。

 

開山堂は、夢窓国師の亡くなった翌年(1352)に足利尊氏の寄進による祠堂が建立されたのが始まりだそうです。国宝です。開山堂には夢窓国師(開創)と佛徳禅師(開山)の木像が安置されているとのことです。

 

禅宗のお寺はどこも清潔で美しく、いつも気持ちよく参拝させていただいています。特にこの永保寺は、周りの景色に溶け込んだお堂、お庭が素晴らしかったです。

 


写真⑪:持戒のパワースポット龍浮淵

写真⑫:開山堂


 

永保寺(えいほうじ)

山号:虎溪山

所在地:岐阜県多治見市虎渓山町1-40

宗派:臨済宗南禅寺派

御朱印:(左)は、御朱印帳にいただいたもの、右は書置きでいただいたものです。朱印が異なっています。

御朱印は、黒門から入いり、碧天閣でいただきました。

 

本日の御朱印旅

(各務原市)日之出不動尊→貞照寺→(犬山市)桃太郎神社→(美濃加茂市)古井の天狗山→大徳寺→(多治見市)永保寺→長福寺→本土神社