尊永寺の御朱印旅(遠州三山その3)

遠州三山の最後の訪問地、法多山尊永寺。寺伝によれば、神亀二年(725年)、聖武天皇の勅命を受けた行基上人が大悲観音応臨の聖地をこの地に定め、自らが刻んだ正観世音菩薩をご本尊として安置したのが始まりだそうです。御本尊の霊徳は京都にも及び、白河、後白河天皇の勅願あつく定額寺に列せられ、その後、今川、豊臣、徳川などの武将からもあつい信仰を得てきたそうです。さて、法多山ですが、参道、建造物などがとても綺麗に整備されています。雨の中でしたが、足元がびしょびしょになることもなく、気持ちよく参拝することができました。遠州三山は、それぞれが異なる趣を持つ素晴らしい寺院でした。心が和む旅でした。


 駐車場は沢山ありました。ありがたいです。とうとう雨が降ってきました。傘を必要とするほどです。まずは、仁王門(写真①)です。立派です。仁王門を抜けると、境内案内図(写真②)があります。大きな敷地でワクワクしますが、雨がちょうっと困りもんです。写真③は仁王門を抜けたところの参道です。広くて長くて、整備されていて素敵です。しばらく歩くと左手に黒門(写真④)と呼ばれる門があります。黒門を入ると大きな建物(持仏堂、本坊(写真⑤)、紫雲閣、一乗庵など)が、綺麗に並んでいます。そのまま、紫雲閣の前の参道(写真⑥)を通って本堂へ向かいます。

写真①:仁王門


写真②:境内案内図

写真③:参道


写真④:黒門

写真⑤:本坊


写真⑥:紫雲閣前の参道

 

しばらく進み、「だんご茶屋」手前の階段をのぼると、左手に洒落たステージがあります。階段から右手の広い参道(だんご茶屋の前の道)を行くと左手に池に浮かぶ(ような)弁財天堂(写真⑦)が、続いて大きな不動明王像(写真⑧)があります。一意一眼願不動明王といい、心に願うただ一つの願い事を熟願すれば成就するそうです(盛り沢山にお願いしては駄目)。そして蛸薬師堂(写真⑨)があります。それぞれ参拝して、本堂へ向かう階段(写真⑩)をのぼります。


写真⑦:弁財天堂

写真⑧:不動明王像1


写真⑨:蛸薬師堂

写真⑩:本堂へ向かう階段


 

階段を上り切ると正面が本堂(写真⑪)です。とても、広いです。これだけ立派なお寺ですが、雨のためか人はまばらです。なおさら、広く感じられました。まずは、本堂を参拝。そして、本堂に向かって左手の大師堂と、右手の北谷寺を参拝。北谷寺は、旧本堂であったお堂で北谷観音(遠江三十三観音第五番札所)のほか、十二支守本尊、西国三十三観音などの諸仏を祀っているそうです。御朱印は、本堂右手の階段を下りたところの寺務所でいただきました。そして、本堂と回廊を歩き、大師堂側から下山。途中、二葉神社(写真⑮)を参拝。二葉神社は、浜松市内にあった二葉遊郭から移築勧請されたそうです。御祭神の二葉明神は、芸者、茶屋などの夜の世界で働く女性の守り神として信仰されているそうです。さらに降りていくと氷室神社があります。氷を貯蔵する氷室を神格化した氷室明神を祀っているそうです。熱病平癒やギャンブル依存などの心を冷やす御利益があるそうです。

写真⑪:本堂


写真⑫:本堂に向かって左側の様子(一番左手が大師堂)

写真⑭:北谷寺

写真⑬:本堂に向かって右側の様子

写真⑮:二葉神社


写真⑯:藤棚

 

そして、先ほどのだんご茶屋、ステージの所に戻ってきました。ステージの後ろ側に藤棚(写真⑯)がありました。季節でしょうか、綺麗に咲いていました(本日の御朱印旅で訪れた行興寺の藤も見事でした)。そして、駐車場へ。袋井市にこんな素晴らしいお寺があることを知りませんでした。来てみないと分からないことは多いですね。だんご茶屋でだんごを食べなかったのが今でも心残りです。

 

 

本日の御朱印旅

行興寺→府八幡宮→矢奈比賣神社・霊犬神社→医王寺→可睡斎→油山寺→尊永寺・北谷寺→善福寺→大井神社



尊永寺(そんえいじ)

山号:法多山

所在地:袋井市豊沢2777

宗派:高野山真言宗別格本山

御朱印:

(左)ご本尊、正観世音菩薩

(中)一意一願不動明王

(右)聖観世音菩薩(遠江三十三観音第五番札所)